部内誌第2号 1980年12月3日

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「とべ、秋空へ」の文面
勝負より自己変革 実技のほかに座禅も

敗戦直後の昭和二十二年、香川県で生まれた少林寺拳法。福知山支部(金剛禅総本山少林寺福知山道院)が設立されたのは四十三年。
当時二十歳だった渋江武正さん(32)が少林寺の思想と技を広めようと、長崎からやってきて開いたもの。

情熱に燃える渋江さんは、まず会社の仲間3人に呼びかけてスタート。少林寺拳法の名さえ知られていない頃で、道場探しや人集めに苦労した。

道場も一宮神社、納税会館そして現在の岡ノの道場へと移り変わった。
その間、入門者数は300名を越え、現役は55人。

入門者の動機は、強くなりたい、身体を鍛えたい、自信をつけたいなど。今では少林寺拳法の名もよく知られ燃焼部の入門者が圧倒的に多い。
単なる武道やスポーツではなく、人作りの養成機関でもあり、修行を積めば誰でも強くなれる。礼儀正しく、思いやりのやる人になれると市民の評価も高まっている。

道場では「人間は霊肉不二の存在だ」との信念に立ち、実技のほか座禅、学科(法話)を行い、身心ともに鍛えている。
ことし父母の会が結成され、今月、機関誌"THE 拳法"創刊号が出された。
道場が家庭と一緒になって青少年の健全育成を図ろうとのねらいがうかがえる。

「自分もこの道を広めよう」と、門弟達が綾部と瑞穂町の3カ所で道場を開くなど、少林寺拳法は大きく発展している。
渋江道院長は「見知らぬ土地でここまでやってこれたのは、理解者の協力のお陰。常に少林寺の"人格完成と自他共楽の社会づくり"の原点を忘れず、着実に進んでいきたい」と語る。

道院長=渋江武正 △門徒=55人 △練習=毎週月、水、金曜日午後7時~9時、岡ノの錬成道場で。毎週火、土曜日午後7時~8時半、旭ヶ丘公会堂で △教費=年少月2千円、一般3千円。△入門費2千円 △問い合わせ先=市内猪崎、渋江武正さん(電話23-3644)